2007年に10代,20代を中心とした年齢層に麻疹(はしか)が大流行したことを受けて,国は,2008年度より
5年間を麻疹排除のための対策期間と位置づけ,時限措置として中学1年生及び高校3年生の年齢相当に当たる方を対象者とし,
予防接種を実施することになりました.
2008年度は,平成7年4月2日〜平成8年4月1日生まれ(第3期定期予防接種)と平成2年4月2日〜平成3年4月1日生まれ(第4期定期予防接種)の方が対象です.
麻疹(麻しん)、風疹(風しん)の単抗原ワクチンまたは麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)を一度も受けておられない方はもちろん,今までにすでに接種したことがある方も,
2回目の接種として,体調のよいときを選んで受けましょう.
麻疹(はしか)、風疹(三日ばしか)のどちらかに罹ったことのある方でも麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)の接種が可能です.(麻疹・風疹の両方にかかった方は予防接種を受ける必要がありません)
1.予防接種の効果について
予防接種を受けたお子さんのうち,95%以上が免疫を獲得することができます.体内に免疫ができると,麻疹や風疹にかかることを
防ぐことができます.
2.麻疹・風疹混合ワクチンの主な副反応
予防接種により軽い副反応が見られることがあります.また,極めて稀ですが,重い副反応が起こることがあります.
主な副反応は,発熱(接種した者のうち20%程度)や,発疹(接種した者のうち10%程度)です.これらの症状は,接種後5〜14日の間に
多くみられます.接種直後から翌日に過敏症と考えられる発熱,発疹,掻痒(かゆみ)などが見られることがありますが,これらの症状は
通常1〜3日でおさまります.時に,接種部位の発赤,腫れ,硬結(しこり),リンパ節の腫れ等がみられることがありますが,いずれも
一過性で通常数日中に消失します.
稀に生じる重い副反応としては,アナフィラキシー様症状(ショック,じんましん,呼吸困難など),急性血小板減少性紫斑病(紫斑,
鼻出血,口腔粘膜の出血等),脳炎およびけいれん等が報告されています.
1.麻疹
麻疹(はしか)は,麻疹ウイルスの空気感染・飛沫感染・接触感染によって発症します.ウイルスに感染後,無症状の時期(潜伏期間)が
約10〜12日続きます.その後症状が出始めますが,主な症状は,発熱,せき,鼻水,めやに,赤い発疹です.症状が出始めてから3〜4日間は
38度前後の熱と咳と鼻汁,目やにが続き,一時熱が下がりかけたかと思うと,また,39〜40度前後の高熱となり,首筋や顔などから赤い発疹が
出はじめ,その後発疹は全身に広がります.高熱は3〜4日で解熱し,次第に発疹も消失しますが,しばらく色素沈着が残ります.
合併症を引き起こすことが30%程度あり,主な合併症には,気管支炎,肺炎,中耳炎,脳炎などがあります.発生する割合は麻疹患者100人中,
中耳炎は約7〜9人,肺炎は約6人です.脳炎は約1000人に1人の割合で発生が見られます.
また,麻疹にかかると数年から10数年経過した後に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)という重い脳炎を発症することがあります.
これは,麻疹にかかったもののうち約10万人に1人の割合で見られます.
麻疹(はしか)にかかった人のうち,1000人に1人程度の割合で死亡することがあります.
2.風疹
風疹は風疹ウイルスの飛沫感染によって発症します.ウイルスに感染してもすぐには症状が出ず,約14〜21日の潜伏期間が見られます.
その後,麻疹より淡い色の赤い発疹,発熱,首のうしろのリンパ節がはれるなどが主な症状として現れます.また,そのほかに,咳,鼻汁,
目が赤くなる(眼球結膜の充血)などの症状が見られることもあります.子供の場合,発疹も熱も3日程度で治ることが多いので「3日ばしか」と
呼ばれることがあります.合併症としては関節痛,血小板減少性紫斑病,脳炎などが報告されています.大人になってからかかると
子供のときより重症化する傾向が見られます.
妊婦が妊娠早期に風疹にかかると,先天性風疹症候群と呼ばれる病気により,心臓病,白内障,聴力障害などの障害を持った赤ちゃんが
生まれる可能性があります.
(2008.3.30 記)